2012-04-30

【band】Gold


カルガリーのGoldはKaelen OhmとRena Kozakが2011年に曲を書き始めた頃から始まり、ドラマーにChris Reimer(Women)ベースはMatt Swann(Extra Happy Ghost!!!)の4人で活動していたバンド。しかしお気づきの方も居ると思いますがChrisは今年2月に亡くなってしまいました。ちなみにメモリアルサイトを見ているとRenaは彼女さんだったとか。しかし3人はその後もバンドを続行。Chrisの生前に4曲レコーディングしていたらしく、つい先日開設されたバンドの新しいサイト(tumblr)によると6月にEP “Losing Your Hair EP”をMammoth Cave Recordsからリリース予定。メンバーに新しいドラマーChris Dadgeが加わっている。
そしてEPに先駆けて最近bandcampにアップされた曲を聴くと、KaelenとRenaの柔らかく綺麗なハーモニーにほろほろと湧き出るギターサウンドが儚くも光があるように感じる。それをそっと後押しする様なベースとドラムが加わり全体的にドリーミーで、ほっと暖かくなる様な心地よいポップサウンド。LPも後にリリースあるんでしょうか。超気になります! 

Gold - Drugs

Gold - Losing Your Hair

2012-04-23

The Spook Of The Thirteenth Lock / The Brutal Here and Now



アイルランドはダブリンのThe Spook Of The Thirteenth Lockの2ndアルバム。(しかも発売日が13日の金曜!)2008年にセルフタイトルのデビューアルバムを出している。2009年には来日ツアーもしていて、その時のライヴもバンジョーも使用し素敵なライヴでした。基本的に伝統的なアイリッシュフォークがしっかりと根底にありつつも、サイケ、プログレ、ポストロックなど色々なテイストを上手く溶け込ませたエクスペリメンタルさが魅力的ですが、今回はメンバーも1人増えて5人組となっています。今回歌詞は英語とアイルランド語はもちろん、さらにはイタリア語で書かれている。アルバムではバイオリンとチェロでゲストも参加している…と、書くとかなり盛りだくさんな感じですが全体的に一貫性があるので自然にすっと馴染んでいるのが良い。自らのルーツと他の国の多様な音楽とを行き来する豊かなサウンド。さらには現在と過去(歴史)を行き来する様な感じもする。CDのブックレットにも歌詞が載っていますが彼らのサイトでもデビュー作含め、全部観る事が出来る。The Spook Of The Thirteenth Lockというバンド名は「幽霊に取り憑かれた運河の水門にまつわる、古い詩の一節」だそうで、その辺も含めて「幽霊」なのかなとふと思ったり。タイトなリズム、バンジョーの音色、しっかりとした世界観とサウンド。心に沁みます。
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Transduction RecordsCD[released] April 13, 2012 


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Khyber Comp Volume II

カナダ、ハリファックスにあるKhyberのコンピレーションの第2弾。前回は2011年2月にリリースされていてデジタルでは現在も購入可能ですが、始めの200本限定のカセットはソールドアウトな様子。(追加があるっぽいけど)今回はさらにボリュームアップしハリファックス出身、もしくはゆかりのある全27バンド/曲という豪華な顔ぶれですが、すでにリリースされた曲もあれば未発表な曲もあるので要チェック!遠く離れた日本に居ながらしてこのコミニュティーを垣間みれる様な、こういうコンピレーションがあると新しいバンドを知るきっかけになるので聴いていてかなり楽しい。出だしのとぼけた自己紹介的なのもナイス。あの辺りの素敵バンドが一同に会してるんじゃと思うぐらいの充実っぷり。バンドのタイプも様々ですが、テープ1本で聴いているうちにはりどことなく空気感に共通点がある。(曲の並びに流れがある風にも思えた)Khyberのサイトを見るとジャケ写真の元々は教会だったというゴシック調の建物がKhyberなんだという発見もあり。街中にすごくいい感じに目立ってますが、この地域のアートや音楽などの重要スポットなんでしょうか。デジタルとカセットテープは250本限定。売り上げのすべてがKhyberに行くそうです。
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Khyber Comp Volume II Digital,Cassette Tape :[released]03 March, 2012 

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#2 Quaker Parents /
Next Door Boy Conceals Desires, Helps Her Search for missing Pet


#3 Sheer Agony / Theme From "Tortoise and the Hare"


#6 Old and Weird / Doing the Things


#15 Each Other / Fellow Flowed


#26 Monomyth /   Anytime

などなど。どれ貼るかでかなり迷った〜

2012-04-13

Papier Tigre / Recreation

Papier Tigre フランス、ナントのトリオ。今年の3月にリリースされた「Recreation」は3枚目のフルアルバム。ポストハードコアと例えられている様に、ベースレスのバンドながらもその音の分厚さや、硬質で変則的にうねる2本のギターの絡み、それにタイトで鮮やかなドラム、さらにはパーカッションで一体となって耳に迫って来る。2009年には来日も果たしていてその時に下北沢のシェルターにてライヴを観たのですが、音源同様にむしろそれ以上に演奏力が圧巻で鳥肌もの。
もうすでにスタイル的には完成されているのかなと思ってましたが、まだまだこんな物じゃ無かった。さらに演奏の上手さ、いや「巧さ」はさらに凄みを増して、自由自在な躍動感が心地良い。今まで気が付かなかったのか、より個性が前に出てきたのかどちらかといえばアメリカ、特にDCサウンド系の〜と比較されてたのに加え、センスの良さがキラリと光る。その辺りのオサレ感がフランスなのかなと思った。それでいて初めから最後まで爆発力を保っていて潔い。またライヴが観たい!
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[released] March 1, 2012


 


1曲目の" I'm Someone Who Dies"ビデオが凝ってて可愛い。

あと、これは余談ですがリリースした Africantape(イタリア)のリリース写真が面白い。サイトトップでCDやLPがアートっぽく破壊されてる写真が。(笑)Papier Tigreはジャケに合わせて砂に埋もれたりします。

2012-04-08

The Diet / Cult Babies


2011年にbandcampでリリースされたThe DietのデビューEP「Cult Babies」。カナダはカルガリーを拠点とする4人組で元々Manchildという名前で2009年に結成し、2010年には同郷のWomenと共にアメリカツアーを回ったりするなど活動していましたが、昨年秋頃に名前をThe Dietに改名。このEPはその後の作品。(以前は女性ベーシストでしたがメンバーチェンジしているみたい)揺らめきのあるヴォーカル、心の裏側にするっと入って行く様なサイケの要素が色濃いサウンドの中に曲の展開が読めない前衛的な部分も併せ持っている。それとは逆に淡々とクールな印象のドラムも良い。それぞれの曲がじっくりと熟成されていて、シンプルなのにふと気づけば予想以上に深くて迷路に迷い込んでいる気持ちになります。現在はどうやらフルアルバムに向けてレコーディングしている様で新曲がsoundcloudやbandcampで続々アップしているので経過もチェックしていきたい所。このいくつかの新曲を聴くと全体的に色調と言うか幾分明るい感じがして、おやイメチェン?いや、それはまだまだ全貌が見えてないかもしれない。非常に楽しみです。アルバムに収録されるという新曲の"Kids By the Pool"とこのEPも彼らのbandcampからフリーでダウンロード可能になっています。


 bandcamp:Self Release[released]13 September, 2011


割と最近作られた、この"Cult Babies"のビデオがとにかくぴったりで良い。サイケ感がなんともグーです。