2012-05-27

【live】Violens @Shibuya O-nest 2012 5/26

去年震災直後という事もあって来日が延期になっており、尚更待ってました!と言いたくなるViolens初来日ツアー。しかも今回は2nd「True」が日本ではRallye Label / Rallye Co.,Ltdから3月に日本先行発売でリリースされたばかりでまさに絶妙のタイミング。(海外は5月にslumberland record) 名古屋、京都、東京2回の全5公演。東京公演の初日の渋谷O-nestに行ってきました。

始めに演奏したのは同じくRallye所属のSOARING。初めて聴いたのですが表現力に加え、会場に響く力強いドラムが印象的。(このライヴはサポートドラムを加えて初のライヴだったようです。)女性ヴォーカルの繊細かつ力強い声も素敵だったし、静かに熱を帯びて生命力溢れる様ないきいきとした全体的な感じも良かった。

続いて登場したのは東京のトリオ、circe。5曲入りのコンセプトアルバム「4pictures」を聴いて以来、ライヴをずっと観たかったのでようやくです。インストでドラム、ギター、マリンバ、アコーディオンと使用する楽器も多様。音源で聴いても分かるようにマリンバの音色が体に非常に心地よい。パートを曲によって替えていますが、基本マリンバは全てに入ってて世界観が統一されてる。3人でマリンバを弾いてる曲もあって思わず息を飲む。一音一音に楽器や曲に対する愛情が伝わってくるようでほっこりした気分になりました。

そしていよいよViolens!今回はドラムにMGMTのWill Berman、さらにベーシストのThe DrumsメンバーでもあるMylesが来日出来なくなってしまったので、代役としてThe Pains of Being Pure at HeartのKurt Feldmanがサポートで参加。と元々繋がっているバンド同士とは言えど、なんだかスペシャルな顔ぶれに。自ら手早くステージセッティングし(飲み水も)戻らずそのままいきなり演奏開始したのには少しびっくり。 元々はアートプロジェクトから始まっているし、オサレなイメージのブルックリンのバンドだしで、ちょっと澄ました感じなのかなとか勝手に思っててすみませんと始めに謝りたい。
個人的にいい意味で真逆の印象を受けた。時にキレのあるギターをかき鳴らし、ダイナミックな面もあり、(この辺は言わずもかな凄くカッコいい。)なにしろ安定して確実な演奏力。どの曲もさり気なく凝っている感じがして魅力的。自分は1曲終わるごとに「うわ〜!」と声に出して感動してしまった。1stと2ndからまんべんなく演奏されていたと思う。そして一番ライヴで発見ポイントだったのはVo/GのJorgeの声が想像以上に伸びやかで透明感ありまくりだった事。アルバムだけの仕様じゃ無かった、リアルであんなに綺麗だなんて驚き…!それに加勢するIddoとKurtのコーラスもいい感じで溶け込み、基本はメロディとハーモニーを重視しているんだなと再確認。でもやはりさすがだなぁと思ったのはアルバムで感じた様なある種幻想的な空気感がそのまま再現されていて、本当大満足のライヴだった。
そういえばViolensというバンド名造語だよな、確かバイオリンとも関係あった気が…由来なんだったっけ?と思ってたらRallyeのインタビューで出てました。これ読んだらさらに納得。


これは演奏してないかもだけど貼ります。

2012-05-21

Each Other / Traces to Nowhere b/w Sit Still 7"


モントリオールのトリオEach Other、去年の「Taking Trips」に引き続き今度はCrikey! Recordsから3月にリリースされた初の7"。 今年はSXSWに出演したり現在はアメリカからカナダツアー、そして6月にカナダのカルガリーで行われるSled Islandへの出演も決まっていたりと国内外でも注目度が確実にアップされてきている模様。
A面の"Traces to Nowhere"はだんだんヒートアップしながら彩り鮮やかになっていく展開が高揚感があり、先に公開されていたB面の"Sit Still"でも3人の演奏力がぴたりと合って絶妙な雰囲気を醸し出しているのが印象的。
揺らめきのあるギターに豊かなハーモニー、それをさらに増幅させるドラム。どちらの曲もポップかつサイケデリックな質感もありつつ、より輪郭がはっきりしてきてそれに加えユニークさや芯の強さも合わせ持っている感じがする。とにかく聴いていて一瞬も耳を離せなくなる様な魅力に溢れている素敵な2曲。これからもカナダ国内はもちろん、ツアーなどを通して世界に向けてその魅力がどんどん広まって行くんだろうなと思う。
 
bandcamp:Digital[released]March 1, 2012
Crikey! Records : 7"[released]March 1, 2012
 
Each Other - Sit Still

今回もジャケットの写真が気になるのですが、曲と上手く連動している"Traces to Nowhere"のビデオもカラフルで素敵なのでチェックを。↓

2012-04-30

【band】Gold


カルガリーのGoldはKaelen OhmとRena Kozakが2011年に曲を書き始めた頃から始まり、ドラマーにChris Reimer(Women)ベースはMatt Swann(Extra Happy Ghost!!!)の4人で活動していたバンド。しかしお気づきの方も居ると思いますがChrisは今年2月に亡くなってしまいました。ちなみにメモリアルサイトを見ているとRenaは彼女さんだったとか。しかし3人はその後もバンドを続行。Chrisの生前に4曲レコーディングしていたらしく、つい先日開設されたバンドの新しいサイト(tumblr)によると6月にEP “Losing Your Hair EP”をMammoth Cave Recordsからリリース予定。メンバーに新しいドラマーChris Dadgeが加わっている。
そしてEPに先駆けて最近bandcampにアップされた曲を聴くと、KaelenとRenaの柔らかく綺麗なハーモニーにほろほろと湧き出るギターサウンドが儚くも光があるように感じる。それをそっと後押しする様なベースとドラムが加わり全体的にドリーミーで、ほっと暖かくなる様な心地よいポップサウンド。LPも後にリリースあるんでしょうか。超気になります! 

Gold - Drugs

Gold - Losing Your Hair

2012-04-23

The Spook Of The Thirteenth Lock / The Brutal Here and Now



アイルランドはダブリンのThe Spook Of The Thirteenth Lockの2ndアルバム。(しかも発売日が13日の金曜!)2008年にセルフタイトルのデビューアルバムを出している。2009年には来日ツアーもしていて、その時のライヴもバンジョーも使用し素敵なライヴでした。基本的に伝統的なアイリッシュフォークがしっかりと根底にありつつも、サイケ、プログレ、ポストロックなど色々なテイストを上手く溶け込ませたエクスペリメンタルさが魅力的ですが、今回はメンバーも1人増えて5人組となっています。今回歌詞は英語とアイルランド語はもちろん、さらにはイタリア語で書かれている。アルバムではバイオリンとチェロでゲストも参加している…と、書くとかなり盛りだくさんな感じですが全体的に一貫性があるので自然にすっと馴染んでいるのが良い。自らのルーツと他の国の多様な音楽とを行き来する豊かなサウンド。さらには現在と過去(歴史)を行き来する様な感じもする。CDのブックレットにも歌詞が載っていますが彼らのサイトでもデビュー作含め、全部観る事が出来る。The Spook Of The Thirteenth Lockというバンド名は「幽霊に取り憑かれた運河の水門にまつわる、古い詩の一節」だそうで、その辺も含めて「幽霊」なのかなとふと思ったり。タイトなリズム、バンジョーの音色、しっかりとした世界観とサウンド。心に沁みます。
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Transduction RecordsCD[released] April 13, 2012 


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Khyber Comp Volume II

カナダ、ハリファックスにあるKhyberのコンピレーションの第2弾。前回は2011年2月にリリースされていてデジタルでは現在も購入可能ですが、始めの200本限定のカセットはソールドアウトな様子。(追加があるっぽいけど)今回はさらにボリュームアップしハリファックス出身、もしくはゆかりのある全27バンド/曲という豪華な顔ぶれですが、すでにリリースされた曲もあれば未発表な曲もあるので要チェック!遠く離れた日本に居ながらしてこのコミニュティーを垣間みれる様な、こういうコンピレーションがあると新しいバンドを知るきっかけになるので聴いていてかなり楽しい。出だしのとぼけた自己紹介的なのもナイス。あの辺りの素敵バンドが一同に会してるんじゃと思うぐらいの充実っぷり。バンドのタイプも様々ですが、テープ1本で聴いているうちにはりどことなく空気感に共通点がある。(曲の並びに流れがある風にも思えた)Khyberのサイトを見るとジャケ写真の元々は教会だったというゴシック調の建物がKhyberなんだという発見もあり。街中にすごくいい感じに目立ってますが、この地域のアートや音楽などの重要スポットなんでしょうか。デジタルとカセットテープは250本限定。売り上げのすべてがKhyberに行くそうです。
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Khyber Comp Volume II Digital,Cassette Tape :[released]03 March, 2012 

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#2 Quaker Parents /
Next Door Boy Conceals Desires, Helps Her Search for missing Pet


#3 Sheer Agony / Theme From "Tortoise and the Hare"


#6 Old and Weird / Doing the Things


#15 Each Other / Fellow Flowed


#26 Monomyth /   Anytime

などなど。どれ貼るかでかなり迷った〜

2012-04-13

Papier Tigre / Recreation

Papier Tigre フランス、ナントのトリオ。今年の3月にリリースされた「Recreation」は3枚目のフルアルバム。ポストハードコアと例えられている様に、ベースレスのバンドながらもその音の分厚さや、硬質で変則的にうねる2本のギターの絡み、それにタイトで鮮やかなドラム、さらにはパーカッションで一体となって耳に迫って来る。2009年には来日も果たしていてその時に下北沢のシェルターにてライヴを観たのですが、音源同様にむしろそれ以上に演奏力が圧巻で鳥肌もの。
もうすでにスタイル的には完成されているのかなと思ってましたが、まだまだこんな物じゃ無かった。さらに演奏の上手さ、いや「巧さ」はさらに凄みを増して、自由自在な躍動感が心地良い。今まで気が付かなかったのか、より個性が前に出てきたのかどちらかといえばアメリカ、特にDCサウンド系の〜と比較されてたのに加え、センスの良さがキラリと光る。その辺りのオサレ感がフランスなのかなと思った。それでいて初めから最後まで爆発力を保っていて潔い。またライヴが観たい!
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[released] March 1, 2012


 


1曲目の" I'm Someone Who Dies"ビデオが凝ってて可愛い。

あと、これは余談ですがリリースした Africantape(イタリア)のリリース写真が面白い。サイトトップでCDやLPがアートっぽく破壊されてる写真が。(笑)Papier Tigreはジャケに合わせて砂に埋もれたりします。

2012-04-08

The Diet / Cult Babies


2011年にbandcampでリリースされたThe DietのデビューEP「Cult Babies」。カナダはカルガリーを拠点とする4人組で元々Manchildという名前で2009年に結成し、2010年には同郷のWomenと共にアメリカツアーを回ったりするなど活動していましたが、昨年秋頃に名前をThe Dietに改名。このEPはその後の作品。(以前は女性ベーシストでしたがメンバーチェンジしているみたい)揺らめきのあるヴォーカル、心の裏側にするっと入って行く様なサイケの要素が色濃いサウンドの中に曲の展開が読めない前衛的な部分も併せ持っている。それとは逆に淡々とクールな印象のドラムも良い。それぞれの曲がじっくりと熟成されていて、シンプルなのにふと気づけば予想以上に深くて迷路に迷い込んでいる気持ちになります。現在はどうやらフルアルバムに向けてレコーディングしている様で新曲がsoundcloudやbandcampで続々アップしているので経過もチェックしていきたい所。このいくつかの新曲を聴くと全体的に色調と言うか幾分明るい感じがして、おやイメチェン?いや、それはまだまだ全貌が見えてないかもしれない。非常に楽しみです。アルバムに収録されるという新曲の"Kids By the Pool"とこのEPも彼らのbandcampからフリーでダウンロード可能になっています。


 bandcamp:Self Release[released]13 September, 2011


割と最近作られた、この"Cult Babies"のビデオがとにかくぴったりで良い。サイケ感がなんともグーです。