2015-02-08
Freak Heat Waves - Bonnie's State of Mind
カナダはビクトリアのトリオ、Freak Heat Wavesの2ndアルバム「Bonnie's State of Mind」今年2月にHockey Dad Recordsからリリース。
2012年のデビュー作は元Womenの故Chris Reimerがプロデュースしたもので割と全体のトーンが揃っていて、黙々とかつ緩やかに展開される良さがあったのだが今回はそれよりもっと大胆に枠からはみ出した面白さがある。良い意味で唐突、どこかいびつな感じがする所がカッコいい。もちろんクラウトロックの影響が大きいと思われるのだがそんな方向性がより明確となりインパクトも格段に強くなっている。元からスマートさはあったが完全に垢抜けた感じだ。
クレジットによるとレコーディングが2013年4月から翌年の1月までと長期間、複数の場所で行われたがカルガリーとペンダー島(バンクーバーとビクトリアのほぼ中間地点)が主で前者はMontyことScott Munro(Viet Cong)と後者はArran Fisher(2014年のシングルでも関わっている)が多く手がけている様だ。なので各曲の質感に変化が出ていてまさにアルバムのジャケットと同じく断片的に切り取ったコラージュ的な雰囲気だ。ちなみにこのアートワークもバンドの手による物らしい。ギターサウンドがメインだった前作に対し#3 "Design of Success"など前半ではレトロなエレクトロ感もメロディや残響として随所に盛り込まれている。この2つの要素の繋がり方がアルバムの聴き所の一つかもしれない。
#5 "Dig a Hole"や#6 "A Civil Servant Awakening"のクールで淡々としたドラムとそれに完璧に沿うベースラインの一体感は強固でグルービーな印象を与える。この辺が機械的なサウンドともマッチするのだろう。そこに分かるか分からないかぐらいのズレと言うか一歩引いた間があるギターサウンドがアバンギャルドな雰囲気を醸し出している。内側に熱を持ちながらも平静を保つヴォーカルも然り。白眉はアルバム中盤の#7 "Melt In Your Home"だろう。おどろおどろしさが不穏さを強調していて鳥肌が立つ。ちぐはぐかと思いきや全てが巧く繋がっているのだが#11 "Impossible Mind Groove"から#12 "Comfortable Conversation"へブチッと切り替る所も好きです。
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*Hockey Dad Records : LP[released] February 3, 2015
*bandcamp : Digital
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アルバムのプロモ映像。いい感じな雰囲気です
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forgottenhall 様 こんばんは
ReplyDelete確かにこれはクラウトロックっぽいですね。
本家に比べると音がすっきりしている印象ですが、
展開が唐突なのでとても刺激的。
映画のサントラっぽいところもありますね。
ガチャガチャしたノリでありながら、ちゃんとスペーシーなムードを保っていて
かっこよかったです。