カナダ、カルガリー出身現在はモントリオールのエクスペリメンタルポップバンドTelstar DrugsのニューEP「Endless Strait」レコーディングは2013年との事ですが、今年の4月にデジタルとLPは限定でPerduからのリリース。全4曲のそれぞれがユニークでとにかく軽やか。内2人はFaux Furのメンバーとしても知られている。一聴するとこの周辺のバンドの特徴、儚くて美しいメロディラインやハーモニーに注目してしまうが(よく比較される所では同郷のWomen)もっと繊細なセンスを持っているように思えた。それはアートロックなのかもしれない。#1 "Pressed"もそうだが全体的にあくまで冷静さを保ちながら次第に曲の流れと共に表情を変えていく緻密な展開。#2 "Unglued"のように反復する最小限まで削ぎ落としたミニマルなリズムによってギターの感情の変化がかえって際立っている。日が差す柔らかい明るさと影のある憂いを同時に見ているかのよう。シンプルな物を上手く組み上げるのは絶妙なさじ加減が必要なのではと思うがそれを自然に表現している感じがする。 詰め込みすぎない余白を生かすギターポップ。ある意味受け手によって印象が変わるかもしれない。#6 "Glass Bottle" のひりひりとした緊張感、もこもこと凹凸のあるリズムからラストのギターの穏やかな音色は特に美しく響いている。
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*Perdu Records : LP/ Digital[released]April 25, 2014
*EGG PAPER FACTORY : Digital [released]April 26, 2014
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2014-04-30
2014-04-29
Homebody - s/t
コロラドはデンバーを拠点に活動するトリオ、HomebodyのニューEP。(元はデジタルで昨年に発表された)カセットでのリリースでカナダのカセットレーベルCraft Singlesから。一度聴けばその繋がりに思わずなるほどと言いたくなるのですが、リバーブをたっぷり効かせたサウンドに流れるような疾走感と混沌とした展開がポップな#1 "Keeping Home"は出だしからインパクト大だ。反面#2 "Embroidery"は良い意味で拍子抜けするようなまろやかさ。ハーモニーが際立っている。#3 "Tame"はのびのびとした雰囲気が最高にポップで、張り切りすぎない絶妙なな弾けっぷり。全体的にもやに包まれながらもその中からリズムのメリハリが浮かび上がって来てポストロックな印象もある。程よく肩の力を抜いた脱力系なのに所々に垣間見えるタイトなパワフルさが決め手となっているように思える。いやむしろ逆かもしれない。メロディは瑞々しく軽やかで時にエモーショナル。曲調の変化も楽しい#5 "New Breatharian"やずぶずぶと音の渦に飲みこまれそうでギリギリの所でポップな明るみへと転換する#6 "Courting"も印象に強く残る。ちょっとクセのある変化球ながら素敵な6曲。やみつき度は高い。
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*Craft Singles : Cassette/ Digital[released]April 22, 2014
(*bandcamp : 2013 )
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*Craft Singles : Cassette/ Digital[released]April 22, 2014
(*bandcamp : 2013 )
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Doomsquad - Kalaboogie
トロント(またはモントリオール)のトリオDoomsquadのデビューフルアルバム「Kalaboogie」多方面的でエクスペリメンタルなサウンドを軸にじわじわと広がるサイケデリックさは思わず息を飲む。静けさの中に潜む豊かな表現が美しい#1 "When the Dead Become Infants"から#2 "Head Spirit (for our Mechanical Time)"へ突然視界が開けたように勢いを増しながら移行していく流れも良い。
サイケデリック要素も散りばめながらも彼らの場合どこかひんやりとしたエレクトロな質感に柔らかい有機的な音の躍動が見事に調和した、言うならば森系トランスなのではないだろうか。聴いて居ると体感気温がすっと下がっていくような気がする。
かと思えば#3 "Disremember/Dismemberment"や#4 "Waka Waka"などでは感情を発散させて時に呪文のようなヴォーカルも相まってミステリアスな雰囲気を増長させる。なんとも言えない不安感に突如襲われる#7 "Born from the Marriage of the Moon & a Crocodile"の凄みや昨年出たシングルにも収録されていた#9 "Ovoo"もヴォーカルのハーモニーとリズミカルな反響、音の重なりが深呼吸のような心地の良さを醸し出す。曲によって変幻自在な印象だ。ぜひとも静かな所で耳をすまして聴く事をオススメしたい。細やかな音のそれぞれに意図が隠されているように思えてインスピレーションが湧いてくる。
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*Hand Drawn Dracula : LP/ Digital[released]February 25, 2014
*No Pain In Pop : Digital[released]February 26, 2014
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サイケデリック要素も散りばめながらも彼らの場合どこかひんやりとしたエレクトロな質感に柔らかい有機的な音の躍動が見事に調和した、言うならば森系トランスなのではないだろうか。聴いて居ると体感気温がすっと下がっていくような気がする。
かと思えば#3 "Disremember/Dismemberment"や#4 "Waka Waka"などでは感情を発散させて時に呪文のようなヴォーカルも相まってミステリアスな雰囲気を増長させる。なんとも言えない不安感に突如襲われる#7 "Born from the Marriage of the Moon & a Crocodile"の凄みや昨年出たシングルにも収録されていた#9 "Ovoo"もヴォーカルのハーモニーとリズミカルな反響、音の重なりが深呼吸のような心地の良さを醸し出す。曲によって変幻自在な印象だ。ぜひとも静かな所で耳をすまして聴く事をオススメしたい。細やかな音のそれぞれに意図が隠されているように思えてインスピレーションが湧いてくる。
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*Hand Drawn Dracula : LP/ Digital[released]February 25, 2014
*No Pain In Pop : Digital[released]February 26, 2014
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2014-04-13
Grime Kings - Honeymooning
2011年頃から活動しているカナダ、オタワのGrime Kingsのニューアルバム「Honeymooning」昨年から新曲が少しずつ公開されていましたがついに全貌が明らかに。フィジカルのリリースもありそうですが現在はbandcampでデジタル音源が公開、購入可。元々バンドアンサンブルで魅せるバンドと思っていたが前作よりさらに演奏力が強力になり各曲の個性がはっきりと輪郭を表している。スモーキーでやや憂いを含んだメロディはどの曲でも存在感を発揮し、メリハリが効いたドラムとなめらかなベースは感情の起伏を上手くコントロールしている。#1 "Stammering"はスローモーションのように浮遊する感じが非現実的で、#2 "One Of Us Is Lonely"では力強いリズムが躍動しエモーショナルなヴォーカルが印象に残る。特に#9 "Perfume" はアルバムの中でもざくざくとしたポップなサウンドが心地よく、途中からするりと変化するスケール感もドラマチックだ。古典的な軸をベースに、しっかりと雄弁にハーモニーを広げながらもそこからポストロック、ないし自由でアート的な表現へ昇華されているのも注目。#11 "Every Golden Future"はどことなくオリエンタルな印象もかすかに感じた。しかし#5 "Looked Like Rain But Never Came"などでは見てはいけないものを見てしまった時の様などろどろとしたエグさがそのまま残っている所も良い。ぼけっしているとふっと暗闇に触れてしまう危うさ、単にポップで綺麗な物だけを表現していないのかもしれない。様々な感情が渦巻いている。
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*bandcamp : Digital[released]March 31, 2014
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*bandcamp : Digital[released]March 31, 2014
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