シャムキャッツ待望の2ndフルアルバム「たからじま」。1st「はしけ」からは2009年なので約3年半ぶり。その間にシングル2枚や昨年のミニアルバムなどリリースし続けているのでまさに満を持してといった感じなのでは。
パンチの効いた出だしの#1"なんだかやれそう" に思わずびっくりする。でもそれは聴く側の思い込みであって、彼らのライブを見た時にはっと目の覚める衝撃がそのまま再現された様なポジティブ感なんだなと気がつく。しかしそこからさらにびっくりする。昨年のミニアルバムのよりさらにぐっと輝きを増したメロディやハーモニーの美しさ、至るところに散りばめられたポップ、ユニークさも次々にくっきり浮かび上がる。そして鮮度が増したと言ったら語弊があるかもしれない、透明感と言うべきか #3 "SUNNY"や音の広がりが最高に心地よい#6 "手紙の続き"などで見られる、水面をキラキラと反射する太陽の光のような暖かさとポップな煌めき感が抜群に良い。今回も直接的では無いが「海」を連想させる雰囲気やキーワードが出てくる曲が多い(それを言うとアルバムタイトルも)のは元々のルーツや土地にあるのかもしれない。曲同様に書いているメンバーが異なる歌詞も初めは直球どストレートに思えてもよくよく見ると、どれも印象的でじわっと味わいがあるものばかり。曲と歌詞のシンクロ感もすごく良い。特に始まりがグルービィな#8 "おとといきやがれ"の熱の上がり方は圧巻。オーソドックスな感覚もしっかり持っているし、自分達なりにで消化、吸収する柔軟さもある。それを現実逃避という道では無く、現代/現実をしっかりと見据えた力強いポップさとほんの少しの憂いで表現しているのはなんだか開放的で爽快だし、以前シングルでリリースしていて名曲と言われている#9 "渚"もなおさら魅力的に輝いている。
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* P-VINE : CD[released] December 5, 2012
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