2012-12-02

The Luyas / Animator

モントリオールのバンドThe Luyasの今年リリースした3枚目のアルバム「Animator」
前作に引きつづき、Dead Oceansと今回は自国トロントのレーベル、Paper Bag Recordsからもリリースされています。光と闇の間を揺らめきながら行き来する様な雰囲気に包まれ、その触れ幅は一定でなく実に自由自在でユニークさに富んでいる。儚くも美しいメロディ、そしてThe Luyasの大きな魅力で無垢とも言えるJessieのヴォーカルもサウンドに溶け込みながらも鮮明に存在を発揮している。
今作はPolaris Music Prizeのロングリストにも入った前作のリリースから約1年後の、今年の2月末から制作を始めたようです。(ツイッターのつぶやき等)もちろんそこだけに焦点を合わせるのは違うとは思うが、「親しい友人の急死」というのが作品の背後に見え隠れしている。というのも頭に入れつつ聴きたいところ。ゆったりと始まる#1 "Montuno"は、序々に微熱を帯びていき、そこからの#2 "Fifty Fifty"は力強くも同時に切なさを感じる歌詞も印象的。 #4 "Face"ではサイケデリックな深みを作り出し、後半はゆるやかに歪みながらよりエクスペリメンタルな曲が増え、#8 "Traces"から#9 "Crimes Machine"ではなんとも不思議な感覚に陥ります。ちなみにメンバーでは結成以来のドラマーが今回変わった模様。作品のクレジットを見ると、他のミュージシャンもそれぞれの曲で参加しており、アルバムをさらに表情豊かで味わいのあるものにしている。どこかひんやりとしたサウンドの中に光が灯されている様な暖かい質感。勝手なイメージですが例えるなら、暗い部屋で見る蝋燭の光はついじっと眺めてしまう。そんな聴く者の心を掴んで強く引きつけられるアルバム。
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Dead Oceans : LP,CD,Digital[released] October 13, 2012
Paper Bag Records : LP,CD,Digital[released] October 16, 2012
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04 Face by Paper Bag Records

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