モントリオールの4人組、Suunsの今月にリリースされた2ndアルバム「Images Du Futur」2010年のデビューフルアルバム「Zeroes QC」、2011年のシングル「Bambi" b/w "Red Song」に引き続きSecretly Canadianから。
始めに公開された#5 "Edie's Dream"はドリーミーかつスロウな音の揺らめきが綺麗で、もやのかかった様な浮遊感。この雰囲気は形は違えどアルバム全編に渡って感じ取れる。もう一曲先に公開されていた#2 "2020"はアルバムの中でも特に異質。感覚まで麻痺してくる音が響きどこか機械的で不穏な空気が流れている。内側に向けて発する様な繊細なヴォーカルが以前からSuunsの大きな特徴だったが、サウンドの中で前面に出たり背後にスッと溶け込んだりを繰り返す。かと思ったら前触れも無くいきなり何かを発散させる人間味みのある部分とダークなリズム感が醸し出すある種の冷静さが絶妙に同居しているのがとても興味深い。
どの曲も緻密で様々な変化を伴って表現されているので単純では無いし、聴く側やその時の状態で印象が変わりそうな気もする。インパクトは鮮明なのに肝心の感情が読めない感じだ。まさに顔をコラージュしたアルバムのアートワークの様に。でも決してダークな要素だけでは無いと思う。
#9やアルバムタイトルにもなっている"Images Du Futur"はフランス語の直訳で"未来の写真"という意味もあり「将来」というモチーフは何か意味があるのだろうか。将来には希望や明るい気持ちを持ちたいけど不安も常に付いて来る…という事も頭に浮かんだ。なんだか曲名も意味深に思えて来るラストの#10 "Music Won't Save You"も直線的なリズムとそれに反するギターの揺らぐ音は生暖かく、大人数の笑う声や歓声がサンプリングされていてシュールさが際立っていると共にユーモアだとも取れる。
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*Secretly Canadian : CD/LP[released] March 5, 2013
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