バンクーバーで活動するトリオWatermelonがGreen Burrito Recordsからリリースした7曲入りのカセット、その名も「Cassette」(デジタルはbandcampから)
程よくノイジーなギターサウンドが全編に一貫として流れていて聴いていると一瞬で心地よい倦怠感に包まれます。ドリーミィという言葉がぴったりですが、そんな雰囲気に浸っていると微熱でもあるんじゃないかと思えてくる麻痺する感覚がクセになります。全体の雰囲気までおぼろげにさせるヴォーカルもメンバーが女子2人に男子1人だからか、ハーモニーもひときわ柔らかい印象になっている。軽やかな曲調の#2 "HELL MOUTH"も淡々とした爽やかさ。ガツガツする事なく至って平熱系なポップなのかと思いきや、実は内部は静かに熱さがにじみ出て曲の合間に浮き出ている。
#6 "HOLY WATER"で感じる様な、近頃はリヴァーブたっぷりで揺らめきのあるメロディとポップさが魅力なバンドが(特に)カナダでも多く活躍していますがそんな所とも共振しつつ、彼らの場合この「じわじわ感」が他とはまた少し違った個性を発揮しているのでは。例えるなら、まるで夜寝る時に瞼の裏に残像が出てきてなかなか消えない様な感じ。
#5 "KILL TWO BIRDS"のメロディも抜群に儚い。そこからヒートアップして溶け出す感情がうねりを伴っているのも良いし、#7 "HATCHET"の最後はギターの音色が耳の遠くで響きながら消えていく。
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*Green Burrito Records : Cassette / Digital[released] March 8, 2013
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