2013-05-05

Deerhunter / Monomania

2001年の結成からフルアルバムとしては6作目になるDeerhunterのニューアルバ「Monomania」もう立ち位置的には中堅以上のキャリアなのではと思うし、作品を出す度に大きな話題となってますが毎回明確な作品のテーマやビジョンを持ち、同じ事はしていない。常に新鮮な印象をキープ続けているのが凄い所。しかも今作は今までの流れからまた大きく変化している。ドリーミーな雰囲気が一気に後退し、よりリアルで生々しいガレージロックなサウンドとなっている。BradfordとLockettのソングライティングの違いがさらに薄まっているのも注目。この点はDeerhunter内だからあえてなのだろう。そして結成時からバンドを支えるドラマーMosesの存在も忘れてはいけない。
しかし驚いたのはまずメンバー編成。ここ何年か4人で落ち着いている様に見えたがここに来てベーシストのJosh Fauverが脱退。新たにJosh McKayがベースに、もう一人ギタリストが増えFrankie Broyles(現在は解散している同じくアトランタのBalkansの元メンバー、Lotus Plazaではドラム担当)が加入。変化の話をしましたが彼らのアルバムには必ず感覚まで麻痺してくる様なひたすら反復系の曲があるのはおなじみ。過去作なら"Nothing Ever Happened"や"Desire Lines"など。今回はそれがタイトル曲の# 10 "Monomania"なのだろう。後半でただただモノマニアを連呼するのに圧倒されてしまう。しかし聴いているうちに以前とは違い、迷い無くストレートな熱を放っている。
Monomania(偏執症の一種でもある)という言葉のチョイスが絶妙で、好みが多様化している現代ではなおさら。少なからず誰にでも持っている、起こりうる様な事で必ずしもネガティブな印象とは思えない。キャラクターを通じて表現するタイプなのかもしれないが、そこに個人的な想いも自然と練り込まれている気がする。うっすらと色々な曲に出て来る「老い」を連想させる歌詞。そういった面でのリアルタイムさも共感を集めて魅力の一つなのだろうなと思った—————————————————————————————————————————

4AD : LP/CD[release]May 7, 2013

Hostess Entertainment Unlimited (Japan) : CD[released]April 24, 2013
※日本先行発売

—————————————————————————————————————————


No comments:

Post a Comment