名古屋の4人組、ジョセフ・アルフ・ポルカ(joseph alf polka)のセルフタイトルのデビューアルバム。
以前リリースしていた自主制作のCDR「空からやってきた緑の3本指」からの曲もありますが、新録されてかなりパワーアップしてくっきりと鮮明だ。#4 "フライングマンの歌"はサイケデリックなテイストに変化していてスケールの広がりがひしひしと伝わって来る感じでもあり、ヴァイオリンがゲストで加わっている#7 "ボロの靴"もキャッチーな展開にうきうきしていると急に暗雲が立ちこめる様な混沌さに巻き込まれる。
ふわっと哀愁を漂わせているヴォーカルにシンセサイザーのポップな音色は懐かしくもホッとするノスタルジックさがあり、歌詞はシンプルながらも何か心に引っかかるものがある。対するギターサウンドは自由自在。時に繊細に時に鋭さを炸裂させている。がっちり支えるベースとドラムの絶妙なバランスで曲がより深く豊かに。もちろん今回の新曲も注目で#8 "7月は夏"などではうっとりするようなハーモニーがまったりとした夏の午後を連想させて新たな一面が垣間見える。勝手な印象で言うと思わず引き込まれてしまう、彼ら独特の不思議な魅力はおそらく各メンバーが持つ色々な要素が上手く合わさって、自然に醸し出しているんだろうなと思った。だからこそ甘酸っぱいメロディーも真っすぐ素直に届くし、最後の#9 "ティーンエイジ・モンスター"の一体感と高揚感も抜群。ひとしきり盛り上がり最後は何事も無かったかの様にスッと終わる意外なあっけなさも良い。とびきりポップでドリーミー。近くにあっても今まで気づかなかった視点から見ている現実みたいな親しみやすさがあるのでは。
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*THISIS(NOT)MAGAZINE : CD[released]July 26, 2013
<特設website>
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2013-07-29
2013-07-24
CROSSS / Obsidian Spectre
カナダで活動するトリオ、Crosss(拠点はハリファックス、モントリオール、トロントと表記が複数あり時期によって違ったのかも)今年6月にリリースされたデビューアルバム「Obsidian Spectre」
グランジ、サイケデリックたまにメタル要素もほんのり漂い、地を這うヘビーでどっしりとしたサウンドが渦巻いていて#1 "Loki"からずるずると引き込まれます。
サウンド的にダークながらも、ヴォーカルの熱はそんなモノトーンの中にビビットな色を添える様な存在感。#2 "Smoke"の中盤からの鮮やかな流れや、特に#4 "Witching Hour"はどこかセンチメンタルとも取れるメロディもパワフルなリズムと絡み一層インパクト大。アルバムの曲のほとんど、つまりA面ではユニークな曲の展開に見られるタイトな演奏、言い換えればしたたかさと感情的かつストレートに熱を発散させている部分とが持ちつ持たれつで巧く作用している。
一方のB面は20分にも渡るエクスペリペンタルなインストの#8 "Will-o'-The-Wisp"のみという大胆な構成になっているのにはちょっと驚いた。じわりとノイジーなサウンドを重ねながら起承転結の内容で興味深い。根っこの部分は共通していてもアプローチが全く異なっている。が、それもそのはず。クレジットによるとA面とB面ではメンバーとレコーディング時期が異なります。どちらもAndy Marchを中心にA面の方はハリファックスで、(おそらく現在活動しているトリオでのレコーディング)B面は2009年にモントリオールでレコーディングされたものらしく納得。そういった意味ではこのアルバムはバンドの今までの活動遍歴が浮き彫りになっている内容なのではないだろうか。
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*Telephone Explosion : 12"[released]June 11, 2013
*bandcamp : Digital
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#1 "Loki" 怪しげな雰囲気のビデオ。
Crosss - "Lucky Loki" 2013 from Jeremy Jansen on Vimeo.
じわじわ痺れて来る #3"Bones Brigade"
グランジ、サイケデリックたまにメタル要素もほんのり漂い、地を這うヘビーでどっしりとしたサウンドが渦巻いていて#1 "Loki"からずるずると引き込まれます。
サウンド的にダークながらも、ヴォーカルの熱はそんなモノトーンの中にビビットな色を添える様な存在感。#2 "Smoke"の中盤からの鮮やかな流れや、特に#4 "Witching Hour"はどこかセンチメンタルとも取れるメロディもパワフルなリズムと絡み一層インパクト大。アルバムの曲のほとんど、つまりA面ではユニークな曲の展開に見られるタイトな演奏、言い換えればしたたかさと感情的かつストレートに熱を発散させている部分とが持ちつ持たれつで巧く作用している。
一方のB面は20分にも渡るエクスペリペンタルなインストの#8 "Will-o'-The-Wisp"のみという大胆な構成になっているのにはちょっと驚いた。じわりとノイジーなサウンドを重ねながら起承転結の内容で興味深い。根っこの部分は共通していてもアプローチが全く異なっている。が、それもそのはず。クレジットによるとA面とB面ではメンバーとレコーディング時期が異なります。どちらもAndy Marchを中心にA面の方はハリファックスで、(おそらく現在活動しているトリオでのレコーディング)B面は2009年にモントリオールでレコーディングされたものらしく納得。そういった意味ではこのアルバムはバンドの今までの活動遍歴が浮き彫りになっている内容なのではないだろうか。
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*Telephone Explosion : 12"[released]June 11, 2013
*bandcamp : Digital
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#1 "Loki" 怪しげな雰囲気のビデオ。
Crosss - "Lucky Loki" 2013 from Jeremy Jansen on Vimeo.
じわじわ痺れて来る #3"Bones Brigade"
2013-07-21
Red Mass / Cindy Lee Split 7"
バンクーバーのMongrel Zineから今年4月にリリースされた「Red Mass / Cindy Lee Split 7"」今までZineをメインに発信し続けている様でしたが、今回初のレコードリリース。
モントリオールを拠点に活動するRed Mass。中心的なバンドメンバーに加え、オフィシャルのページを見ても分かる通りミュージシャンはもちろんアーティストやライターも数多く所属しているらしく(国籍も様々)音楽/アート集団と言った所だろうか。ちなみに今回はKing Khanも参加しており、その他メンバーもサイトに出ている。A面はそんなRed Massの曲、"Candy"が収録されておりサイケデリックど真ん中なサウンドが展開されている。感情溢れるヴォーカルや多様な楽器の音色が四方八方から飛び交い浮遊感たっぷり。万華鏡のような広がりのある雰囲気に飲まれる。
B面に収録されているのはバンクーバーのCindy Lee(元WomenとYung Mumsのメンバーを中心とするプロジェクト)の曲、"Holding The Devil's Hand"。この曲は昨年末にリリースしたデビュー作「Tatlashea」にも入っており、アルバムの中でも特にハーモニーの美しさが際立っている曲。穏やかでありながらも同時に脆さと隣合わせといった感じで、背後に潜むダークな部分がうっすらと透けて見える様な雰囲気がそのまま瞬時にパックされている。今年2月に当ブログでインタビュー(※現在は削除しています)した際に出来るだけその事に気を使っているのが伺えたが、まさに見事に実現されているのでは。
どちらの曲も音が非常に繊細で感情が豊か。ジャケットに書かれた様々な種類の悪魔がうごめいているイラストとも深くリンクしている様に思えて、視覚的にも強く印象に残る。
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*Mongrel Zine : 7"vinyl[released]April 1, 2013
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アートワークは両面でこちらはRed Mass側。
モントリオールを拠点に活動するRed Mass。中心的なバンドメンバーに加え、オフィシャルのページを見ても分かる通りミュージシャンはもちろんアーティストやライターも数多く所属しているらしく(国籍も様々)音楽/アート集団と言った所だろうか。ちなみに今回はKing Khanも参加しており、その他メンバーもサイトに出ている。A面はそんなRed Massの曲、"Candy"が収録されておりサイケデリックど真ん中なサウンドが展開されている。感情溢れるヴォーカルや多様な楽器の音色が四方八方から飛び交い浮遊感たっぷり。万華鏡のような広がりのある雰囲気に飲まれる。
B面に収録されているのはバンクーバーのCindy Lee(元WomenとYung Mumsのメンバーを中心とするプロジェクト)の曲、"Holding The Devil's Hand"。この曲は昨年末にリリースしたデビュー作「Tatlashea」にも入っており、アルバムの中でも特にハーモニーの美しさが際立っている曲。穏やかでありながらも同時に脆さと隣合わせといった感じで、背後に潜むダークな部分がうっすらと透けて見える様な雰囲気がそのまま瞬時にパックされている。
どちらの曲も音が非常に繊細で感情が豊か。ジャケットに書かれた様々な種類の悪魔がうごめいているイラストとも深くリンクしている様に思えて、視覚的にも強く印象に残る。
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*Mongrel Zine : 7"vinyl[released]April 1, 2013
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アートワークは両面でこちらはRed Mass側。
2013-07-07
Mavo / Mavo 7''
モントリオールで活動するトリオ、Mavo。セルフタイトルの「Mavo 7''」がFixture Recordsから7月にリリース。2008年頃から活動し、これまで同レーベルのコンピレーションに曲が収録されていたりデジタルの音源もありましたがフィジカルでは初。リリースが待ち望まれていました。レーベルのページにも詳しく書いてある通りメンバーはVo/GのMitz Takahashi(大阪生まれの方で以前はSoy Captain、Couleesで活動。家具デザイナーでもあります)、Ba/Dr/ChoはConor Pretenderghost(Brave Radar)、さらにゲストにJackson MacIntosh(Sheer Agony)が参加しているそう。
#1 "Mock My Accent"では浮遊感が伴うサイケポップでギターのうねりが効果的に映え、#2 "Horrible Brit Pop Haircut"もメロディこそドリーミーだが芯にある力強さがひしひしと熱となって伝わってくる。最後の#3 "Totally Tired"はとびきり軽やかで同時にミニマルさも感じる。どの曲もとてもポップで丹念な印象を受けた。ひと捻りあるどこかユーモラスな雰囲気のジャングルポップ。でも全体に漂うのは昼寝で眠りにつく前のまどろみのような脱力感。それが最高に心地良い。
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*Fixture Records : 7"vinyl / Digital[released]July 2, 2013
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#1 "Mock My Accent"では浮遊感が伴うサイケポップでギターのうねりが効果的に映え、#2 "Horrible Brit Pop Haircut"もメロディこそドリーミーだが芯にある力強さがひしひしと熱となって伝わってくる。最後の#3 "Totally Tired"はとびきり軽やかで同時にミニマルさも感じる。どの曲もとてもポップで丹念な印象を受けた。ひと捻りあるどこかユーモラスな雰囲気のジャングルポップ。でも全体に漂うのは昼寝で眠りにつく前のまどろみのような脱力感。それが最高に心地良い。
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*Fixture Records : 7"vinyl / Digital[released]July 2, 2013
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2013-07-03
Long Weekends / Tell It To My Heart
カナダはハリファックスのトリオ、 Long Weekends。今年5月にリリースされた6曲入りの彼らのニューEP「 Tell It To My Heart 」(今のところはおそらくデジタルのみか)
今までに主にbandcampで曲を発表しており、今作は昨年の「Don't Reach Out 7"」以来のリリース。基本的な方向性は保ちつつ出すごとに印象が濃く、明確になってきている。
まず耳を奪われるのはガレージ、パンクの要素を持った破壊力抜群のヘビーなギターサウンド。さらにエモーショナルに歌い上げるヴォーカルに絡み、一層迫力を増しながら聴き手に全力で向かって来る。骨太なドラム/ベースもそれに応えるようにパワフル。と、言うとコッテコテなのかと思うだろうが流れるように少しずつ表情を変えていくメロディはむしろポップで気さくな親しみやすさがある。
後半は若干ビターな雰囲気も加わってより広がりのある展開に。#5 "Trades"は駆け抜けるスピード感がなんとも痛快。ラストでタイトル曲の#6 "Tell It To My Heart"は特にこのEPの一番の沸点と言えるだろう。熱量を失ってないのになんだか泣けて来るメロディが沁みる。哀愁がじわじわと漂う。
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*bandcamp : Digital[released]May 14, 2013
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今までに主にbandcampで曲を発表しており、今作は昨年の「Don't Reach Out 7"」以来のリリース。基本的な方向性は保ちつつ出すごとに印象が濃く、明確になってきている。
まず耳を奪われるのはガレージ、パンクの要素を持った破壊力抜群のヘビーなギターサウンド。さらにエモーショナルに歌い上げるヴォーカルに絡み、一層迫力を増しながら聴き手に全力で向かって来る。骨太なドラム/ベースもそれに応えるようにパワフル。と、言うとコッテコテなのかと思うだろうが流れるように少しずつ表情を変えていくメロディはむしろポップで気さくな親しみやすさがある。
後半は若干ビターな雰囲気も加わってより広がりのある展開に。#5 "Trades"は駆け抜けるスピード感がなんとも痛快。ラストでタイトル曲の#6 "Tell It To My Heart"は特にこのEPの一番の沸点と言えるだろう。熱量を失ってないのになんだか泣けて来るメロディが沁みる。哀愁がじわじわと漂う。
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*bandcamp : Digital[released]May 14, 2013
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2013-06-30
Shimokitazawa Indie Fanclub 2013 : 6/23
先週の話になってしまうのですが、2010年から始まり今年で4回目の開催となる下北沢のライブハウスサーキット型フェスティバル、その名も 下北沢インディーファンクラブ(Shimokitazawa Indie Fanclub)に初めて行って来ました!
店舗なども含め16カ所同時進行で出演バンドも東京の他に北海道、名古屋、京都、さらに韓国2組と、どのバンドを観るか迷いに迷う充実ぶり。
【観たバンド】
・Ogre You Asshole (GARDEN)
・シャムキャッツ (FEVER)※
・Alfred Beach Sandal (SHELTER)※
・MILK (SHELTER)
・Turntable Films (CLUB Que)※
・Homecomings (Daisy Bar)
・ミツメ (FEVER)
※印はキャパオーバーで入場規制がかかったもの。
各バンド全部フルで観たので7バンド。はしごしまくって10以上のバンドを観た人も結構居たのでは?最後の時間枠のミツメ以外はどのバンドも演奏時間は30分ほど。
確かに通常に比べれば短いが半日だけ、しかも色々あれもこれもとがっつり観る事を考えればこの位が程良いと思えた。
この日は梅雨にも関わらず天気にも恵まれた。まずOgre You Assholeを観にGARDENへ。開演ぎりぎりだったのでライブハウスはすでに人で溢れかえっている。始まると同時に一気にヘビーなサイケ空間へと持っていく手腕はさすが。じりじりと暴力的とも言える音の凄みが恐怖さえ感じた。("素敵な予感(alternate version)"だった模様)そこから打って変わり2曲目で"ロープ"のゆるやかに弧を描く様なサイケさへの切り替えというか明暗の付け方に鳥肌が止まらなかった。30分で2曲というのも然り、真っ昼間にもかかわらずMCでこんばんはと言っていたのも納得。
少し離れた場所にある(徒歩でも移動できる距離)FEVERに移動しシャムキャッツ。
彼らのライブも何度か観た事があるのだが、この日は特に熱量が凄かった。畳み掛けるように曲をこれでもかと演奏し新曲も披露、これまでと少し質感の違った曲がライブでもすでに映えている。持ち枠を存分に使い切った潔いライブだった。
次にSHELTERへ観に行ったAlfred Beach Sandalもまた、30分ながら一気に観客を引き込む様な素敵なライブだった。今回はトリオ編成でファンキーなリズム感に体が自然に動いてしまう。伸びやかなヴォーカルもここがライブハウスだという事を一瞬忘れてしまう様な風通しの良い心地良さ。
少し休憩した後、同じステージに登場したのは今回衝撃度で言えばダントツの名古屋のMILK。音こそペラペラしているものの、もう始めから沸点みたいなハードコアパンク。
何が起きてるのか把握する前に曲がどんどん演奏され、あまりのパフォーマンスのインパクトに最後はもう笑うしか無い。観客ももちろん大盛り上がりでアンコールを求められ3回ほど(1曲おそらく1分未満)演奏したのも面白かった。
急な雨には驚いたが20分ほどで止んだ。京都のバンド、Turntable Filmsを観にCLUB Queへ無事移動。途中から入場規制がかかったのもありもうこれ以上は入らない感じだったがなんとか観れた。安定した演奏、表現力の高さがキラリと光る。それでいて引き出しの多さや柔軟性を背後に感じるような軽やかさが観ていて清々しい。
Daisy Barに場所を変え同じく京都のHomecomings。女子3人+男子1人というメンバー構成にも注目だが、演奏を聴いてますます強く惹かれた。メロディーはこれでもかと言うほど甘酸っぱいし疾走感もあって芯がしっかりしている印象。どこまでもこれから可能性がある様な発展途上的な感じもかなり好感。
最後も何を観るか決めかねていましたがFEVERへミツメを観に。
正直に言うとミツメは今まであまり聴いた事が無かったのですが、もっと早く聴いて居ればと大反省しました。とろけるサイケな浮遊感に耳に残る音のギターやシンセサイザーの残響感。演奏も力強くタイトながら表現は緻密でそこに柔らかいヴォーカルがふわっと乗っかり絶妙なバランス。感動しまくった挙げ句、CDを買って帰路へ。
アーティスト欄から分かる様にこれだけの出演数だと観たいバンドの当然出番のかぶりもある。これは混雑を避けるための措置でもあるらしいが、チケットはソールド。人の流れは完全に予測は出来ないのでなのでそこはあまり気負わず楽しむのが良さそうだ。それによって人それぞれスケジュールが全く違い、十人十色になるのもこのタイプのフェスティバルの特徴で面白い。
好きなバンドはもちろん、初めて知るようなバンドも気軽に観れるのも魅力だと思う。非常に濃厚な半日だった。来年も開催したらぜひ行きたいと思う。
店舗なども含め16カ所同時進行で出演バンドも東京の他に北海道、名古屋、京都、さらに韓国2組と、どのバンドを観るか迷いに迷う充実ぶり。
【観たバンド】
・Ogre You Asshole (GARDEN)
・シャムキャッツ (FEVER)※
・Alfred Beach Sandal (SHELTER)※
・MILK (SHELTER)
・Turntable Films (CLUB Que)※
・Homecomings (Daisy Bar)
・ミツメ (FEVER)
※印はキャパオーバーで入場規制がかかったもの。
各バンド全部フルで観たので7バンド。はしごしまくって10以上のバンドを観た人も結構居たのでは?最後の時間枠のミツメ以外はどのバンドも演奏時間は30分ほど。
確かに通常に比べれば短いが半日だけ、しかも色々あれもこれもとがっつり観る事を考えればこの位が程良いと思えた。
この日は梅雨にも関わらず天気にも恵まれた。まずOgre You Assholeを観にGARDENへ。開演ぎりぎりだったのでライブハウスはすでに人で溢れかえっている。始まると同時に一気にヘビーなサイケ空間へと持っていく手腕はさすが。じりじりと暴力的とも言える音の凄みが恐怖さえ感じた。("素敵な予感(alternate version)"だった模様)そこから打って変わり2曲目で"ロープ"のゆるやかに弧を描く様なサイケさへの切り替えというか明暗の付け方に鳥肌が止まらなかった。30分で2曲というのも然り、真っ昼間にもかかわらずMCでこんばんはと言っていたのも納得。
少し離れた場所にある(徒歩でも移動できる距離)FEVERに移動しシャムキャッツ。
彼らのライブも何度か観た事があるのだが、この日は特に熱量が凄かった。畳み掛けるように曲をこれでもかと演奏し新曲も披露、これまでと少し質感の違った曲がライブでもすでに映えている。持ち枠を存分に使い切った潔いライブだった。
次にSHELTERへ観に行ったAlfred Beach Sandalもまた、30分ながら一気に観客を引き込む様な素敵なライブだった。今回はトリオ編成でファンキーなリズム感に体が自然に動いてしまう。伸びやかなヴォーカルもここがライブハウスだという事を一瞬忘れてしまう様な風通しの良い心地良さ。
少し休憩した後、同じステージに登場したのは今回衝撃度で言えばダントツの名古屋のMILK。音こそペラペラしているものの、もう始めから沸点みたいなハードコアパンク。
何が起きてるのか把握する前に曲がどんどん演奏され、あまりのパフォーマンスのインパクトに最後はもう笑うしか無い。観客ももちろん大盛り上がりでアンコールを求められ3回ほど(1曲おそらく1分未満)演奏したのも面白かった。
急な雨には驚いたが20分ほどで止んだ。京都のバンド、Turntable Filmsを観にCLUB Queへ無事移動。途中から入場規制がかかったのもありもうこれ以上は入らない感じだったがなんとか観れた。安定した演奏、表現力の高さがキラリと光る。それでいて引き出しの多さや柔軟性を背後に感じるような軽やかさが観ていて清々しい。
Daisy Barに場所を変え同じく京都のHomecomings。女子3人+男子1人というメンバー構成にも注目だが、演奏を聴いてますます強く惹かれた。メロディーはこれでもかと言うほど甘酸っぱいし疾走感もあって芯がしっかりしている印象。どこまでもこれから可能性がある様な発展途上的な感じもかなり好感。
最後も何を観るか決めかねていましたがFEVERへミツメを観に。
正直に言うとミツメは今まであまり聴いた事が無かったのですが、もっと早く聴いて居ればと大反省しました。とろけるサイケな浮遊感に耳に残る音のギターやシンセサイザーの残響感。演奏も力強くタイトながら表現は緻密でそこに柔らかいヴォーカルがふわっと乗っかり絶妙なバランス。感動しまくった挙げ句、CDを買って帰路へ。
アーティスト欄から分かる様にこれだけの出演数だと観たいバンドの当然出番のかぶりもある。これは混雑を避けるための措置でもあるらしいが、チケットはソールド。人の流れは完全に予測は出来ないのでなのでそこはあまり気負わず楽しむのが良さそうだ。それによって人それぞれスケジュールが全く違い、十人十色になるのもこのタイプのフェスティバルの特徴で面白い。
好きなバンドはもちろん、初めて知るようなバンドも気軽に観れるのも魅力だと思う。非常に濃厚な半日だった。来年も開催したらぜひ行きたいと思う。
2013-06-16
The Courtneys / The Courtneys (S/T)
バンクーバーの女子3人組The Courtneysの6月にリリースされたデビューフルアルバム。
まさにセルフタイトルのデビュー作に相応しいと言える勢いやフレッシュさが聴いてる側の心を強く動かすような感じだ。#1 "Nu Sundae"からして瑞々しいメロディやギターサウンドも冴えわたり、そこにガレージ/パンクな疾走感も相まってそのスピードは始めから終わりまで落ちる事なく保たれている。どちらかといえばシンプルでありながら、だからこそタイトさが問われると思うがもちろんそれは大前提で、さらに根底にしっかりとした意思が感じられるのがすごくカッコいい。骨太な演奏で安定感も抜群でインパクトに溢れたサウンド。とは言え細かい部分は色々な影響も感じられる。#2 "Manion"のようなメロディアスなヴォーカルに掛け合い的なコーラスが入る曲が多い。それがトリオならではの一体感を強くしてパワプルかつ、曲をより魅力的にしていると思う。あと気になるのは彼女らのfacebookや#7 "K.C. Reeves"の歌詞を見てもキアヌ・リーブス推しでよく出て来るキーワード。(タイトルになった2012年リリースのカセットのジャケも)象徴的な物としてやはり90年代の影響が一番強いのでは。ラストの#8 "Social Anxiety"が終わる頃にはまた何度もリピートして聴きたくなるし、なんだかこちらまで勇気づけられる様な心強い1枚。
アルバム表面の写真はギターのCourtneyですが裏面にはドラムとベースのJenとSydneyが。ちなみに姉妹風なあだ名もありますが実の姉妹では無いようです。メンバー全員以前にも別のバンドでいくつかの活動を経ていて、現在ベースのSydneyはShearing Pinxのメンバーでもあります。 —————————————————————————————————————————
*Hockey Dad Records : LP[released]June 7, 2013
*bandcamp : Digital
*Be A Primitive (Japan) : CD ※6/24追記
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同郷のあのバンドが曲名の由来なんでしょうか、冒頭#1 "Nu Sundae"のビデオ。
The Courtneys: "Nu Sundae" from Rookie on Vimeo.
ひと際パワプルな#8 "Social Anxiety"のビデオ。
THE COURTNEYS - SOCIAL ANXIETY from Crystal Dorval on Vimeo.
まさにセルフタイトルのデビュー作に相応しいと言える勢いやフレッシュさが聴いてる側の心を強く動かすような感じだ。#1 "Nu Sundae"からして瑞々しいメロディやギターサウンドも冴えわたり、そこにガレージ/パンクな疾走感も相まってそのスピードは始めから終わりまで落ちる事なく保たれている。どちらかといえばシンプルでありながら、だからこそタイトさが問われると思うがもちろんそれは大前提で、さらに根底にしっかりとした意思が感じられるのがすごくカッコいい。骨太な演奏で安定感も抜群でインパクトに溢れたサウンド。とは言え細かい部分は色々な影響も感じられる。#2 "Manion"のようなメロディアスなヴォーカルに掛け合い的なコーラスが入る曲が多い。それがトリオならではの一体感を強くしてパワプルかつ、曲をより魅力的にしていると思う。あと気になるのは彼女らのfacebookや#7 "K.C. Reeves"の歌詞を見てもキアヌ・リーブス推しでよく出て来るキーワード。(タイトルになった2012年リリースのカセットのジャケも)象徴的な物としてやはり90年代の影響が一番強いのでは。ラストの#8 "Social Anxiety"が終わる頃にはまた何度もリピートして聴きたくなるし、なんだかこちらまで勇気づけられる様な心強い1枚。
アルバム表面の写真はギターのCourtneyですが裏面にはドラムとベースのJenとSydneyが。ちなみに姉妹風なあだ名もありますが実の姉妹では無いようです。メンバー全員以前にも別のバンドでいくつかの活動を経ていて、現在ベースのSydneyはShearing Pinxのメンバーでもあります。 —————————————————————————————————————————
*Hockey Dad Records : LP[released]June 7, 2013
*bandcamp : Digital
*Be A Primitive (Japan) : CD ※6/24追記
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同郷のあのバンドが曲名の由来なんでしょうか、冒頭#1 "Nu Sundae"のビデオ。
The Courtneys: "Nu Sundae" from Rookie on Vimeo.
ひと際パワプルな#8 "Social Anxiety"のビデオ。
THE COURTNEYS - SOCIAL ANXIETY from Crystal Dorval on Vimeo.
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