2013-03-20

YELLOWTEETH / Gets in Car

カナダはサックビルで活動する4人組のパンクバンドYELLOWTEETH。昨年にリリースされたEP「Gets in Car 」 ごりごりとした骨太なサウンドにギターの音はヘビィながらも流れる様に滑らかな#2 "Temporary Father"。ヴォーカルのメロディはメロディックさを失わず、かつエモーショナルだ。 サイケデリックと言ってもそれは単純にサウンドのタイプでは無くスピリットとも言えそうなインスト曲の# 4 "Psychedelic Rock"もキレの良いリズムを叩き出し、体に重圧がかかる様なノイズの渦に巻き込まれる感じ圧巻。
確かに曲の潔さに関してはパンクバンドかもしれないのだが、聴いているうちに多種多様な要素が混ざりながら全部こちらへ向かって来る様な迫力。それがサウンドをさらに予測不可能にしていて幅が広がっている。彼らのバイオグラフィを見てみると好んで聴く音楽が80年代のドローン、クラウトロックや日本のメタル(!)さらにノイズポップ、60年代のヴォーカルクループと、様々な所から来ている様でとても腑に落ちる。一つの型やスタイルに捕われないタイプなのかなと思った。EPながらずっしりとした内容で最後の#5 "The Very Worst"で高揚感たっぷりに締めくくるのも好感。彼らのfacebookによると、フルアルバムのレコーディングを開始したとあるのが気になる所。
レーベルのKiller Haze Recordsから出しているコンピレーションRat KingRat King IIにもこのEP以外の曲が収録されています。(この周辺の濃いバンドの音源が大集合していそうな充実さ。)ちなみにベースのEvan Matthewsは同レーベルThe Mouthbreathersのメンバーでもあります。こちらはもっとポップ寄りで雰囲気で要チェック。
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Killer Haze Records : Digital[released] April 5,  2012

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2013-03-11

Suuns / Images Du Futur

モントリオールの4人組、Suunsの今月にリリースされた2ndアルバム「Images Du Futur」2010年のデビューフルアルバム「Zeroes QC」、2011年のシングル「Bambi" b/w "Red Song」に引き続きSecretly Canadianから。
始めに公開された#5 "Edie's Dream"はドリーミーかつスロウな音の揺らめきが綺麗で、もやのかかった様な浮遊感。この雰囲気は形は違えどアルバム全編に渡って感じ取れる。もう一先に公開されていた#2 "2020"はアルバムの中でも特に異質。感覚まで麻痺してくる音が響きどこか機械的不穏な空気が流れている内側に向けて発する様な繊細なヴォーカルが以前からSuunsの大きな特徴だったが、サウンドの中で前面に出たり背後にスッと溶け込んだりを繰り返す。かと思ったら前触れも無くいきなり何かを発散させる人間味みのある部分ダークなリズム感が醸し出すある種の冷静さが絶妙に同居しているのがとても興味深い。
どの曲も緻密で様々な変化を伴って表現されているので単純では無いし、聴く側やその時の状態で印象が変わりそうな気もするインパクトは鮮明なのに肝心の感情が読めない感じだ。まさに顔をコラージュしたアルバムのアートワークの様に。でも決してダークな要素だけでは無いと思う
#9やアルバムタイトルにもなっている"Images Du Futur"はフランス語の直訳で"未来の写真"という意味もあり「将来」というモチーフは何か意味があるのだろうか。将来には希望や明るい気持ちを持ちたいけど不安も常に付いて来る…という事も頭に浮かんだ。なんだか曲名も意味深に思えて来るラストの#10 "Music Won't Save You"も直線的なリズムとそれに反するギターの揺らぐ音は生暖かく、大人数の笑う声や歓声がサンプリングされていてシュールさが際立っていると共にユーモアだとも取れる。
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Secretly Canadian : CD/LP[released] March 5,  2013 

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2013-03-09

The Cable-knits / Whipping Boys EP

昨年ブログに書きましたがThe Cable-knitsはカナダ、カルガリーで活動するギターとドラムのデュオ。(ちなみにどちらもヴォーカルを取る。)2012年リリースの「Twins」もインパクト大の充実作でしたが、最新作「Whipping Boys EP」は全6曲11分ほどの作品にも関わらず、溢れんばかりのポップさ、アイデアがぎっしりこれでもかと詰め込まれているので一瞬たりとも聴き逃せない。EPと銘打っているのもあるのだろうが、ものすごい勢いで展開されていくガレージポップな流れが爽快。前作のひりひりとしたざらつき感はやや減少したように感じるが、その代わりにサウンドのフレンドリーな面が一層強くなった印象を受ける。ヴォーカルもエモーショナルだし、またそれに乗っかる様に突如ふっと浮き出てくるメロディーの美しさにも耳を奪われる。
元々Stalwart SonsとHunter-Gathererという別のバンドでそれぞれ活動していますが、息ぴったりのコンビネーションが相変わらず抜群に良い。2つの個性がぶつかり合う事なく見事に融合している。バンドとして最小限ながら(だからか)それを最大に生かしたサウンドの全力感がかっこいい。特に#3 "256 Greys"の変化しながらヒートアップしていく一体感がタイトで豪快。 以前ラジオのライブバージョンとしてbandcampで公開だけされていた曲も収録されており、のひのびとした掛け合いが楽しい#1 "Bed Sores"とユニークめなセンスの#2 "Tarot Card Future-Tell"も聴いていてわくわくする。
そして今回もデジタル音源が彼らの唯一のオフィシャルページでもあるbandcampで公開、フリーダウンロードできるという太っ腹っぷり。素敵です。
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bandcamp : Digital[released] March 8,  2013 

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2013-03-05

Unknown Mortal Orchestra / II

先月のHostess Club Weekenderでの来日ライブも記憶に新しいポートランドのトリオUnknown Mortal Orchestraのセカンドアルバム「II」。
2月にリリースになった今作はレーベルが変わりJagjaguwarから。前作の雰囲気とはやや異なるのでびっくりした人も少なからず居るのではないだろうか。1stはどちらかと言うとノリが重視されて次々に進んでいく感じ(ジャカジャカした)の物だったとすれば、今回はより滑らかに落ち着いている。ゆっくりと浸透してから時間差で効果が出て来る様なサイケデリックさが聴いていくうちにどんどん深みにハマります。印象としてはシンプルになったと思うかもしれないがその分メロディや歌に伸びが出て存在感が増している。そして逆にファンキーさはもっとくっきり浮き出て来て#4 "One at a Time"は痺れるギターと共に攻撃性を帯びたベースとドラムが炸裂している。そんな中ふっと思い出した様に突然飛び出してくる#2 "Swim and Sleep (Like a Shark)"はひたすら目立っていて少し哀愁のあるメロディが一層沁みる。緊張感とは違うが、どこか瞑想する様な感覚に近いのかもと思う
1枚目と2枚目の間にドラマーがメンバー交代してるのも少なからず質感が若干異なっているポイントかなとも思える。 というのもHostess Club Weekenderでのライブの際はアルバム発売前だったのもあってかほぼ前作の曲メインで(新譜からは2曲)演奏していたが、想像以上にダイナミックで空間を取り込む感じが圧巻。音源で聴いている時に感じるギターの味があってもくもくとこもった音色はライブでも健在だったのがすごく良かった。今度はぜひ新譜の曲も沢山聴いてみたいと思ったし、フェスのボリュームながらとても充実したライブだった。
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Jagjaguwar : CD/LP[released] February 5,  2013

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シュールな#2 "Swim and Sleep (Like a Shark)"のビデオ(閲覧注意ぎりぎりか?)


2013-02-27

Elephant Stone / (self-titled)

ベース/シタール奏者Rishi Dhir率いるモントリオールのElephant Stone。セルフタイトルのデビューアルバムは今月、本国のHidden Pony RecordsアメリカはテキサスThe Reverberation Appreciation SocietyAustin Psych Festの運営元)からのリリース。さらにカセットはBurger Recordsから出ている。
ひとまずバンド名は置いといて先行で公開になっていた#2 "Heavy Moon"も反復するリズムと浮遊感があって良かったのですが自分達で形容している"Hindie-Rock/Psyche-Pop"というのがアルバム全体を聴くと改めてなるほどと納得。筋金入りのサイケテイストは思う存分発揮されているのにそれがぐっと現代的に上手くアレンジされている。サイケポップと言ってもストレンジ系ではなく、あくまで突き抜ける様な爽やさをキープしているメロディとヴォーカル、それに芯のあるバンドサウンドが力強さをプラスしている#4 "Hold Onto Yr Soul"に至っては完全にギターポップで別角度から見たバンドのもう面が分かるのでは。が、油断していると目が覚める様なサイケっぷりを見せつけられる。#5 "A Silent Moment"や特に#9 "The Sea Of Your Mind"はうねるギターと後半にシタールが入る部分の絡みが圧倒的でじわじわ迫る展開
The Black Angelsのライブや他のバンドのアルバムに参加しているだけあってRishi Dhir自らが弾いているのであろうシタールも躍動感があって曲の重要なアクセントになっている。こういう表現を常にバンド内で出来るのはある種とっても強みなのかもしれない。だからこそか本格派なのに泥臭さやアクが無いの(もしくはあえて前面に出してないのか)良い意味でさらっと馴染みやすい。どちらかというと、ポップな雰囲気が強く印象に残る。
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Hidden Pony Records : LP[released] February 5,  2013
The Reverberation Appreciation Society : LP/mp3/cassette
Burger Records : cassette 

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2013-02-24

Dog Bite / Velvet Changes

アトランタのDog BiteはWashed Outのキーボード奏者として知られるPhil Jonesのプロジェクト。「Velvet Changes」は今年2月にCarpark Recordsからリリースされたデビューアルバム。確かにそう言われて聴くと、全編を通して思わず納得してしまうようなドリームポップな雰囲気に溢れている。#1 "Forever, Until"や#2 "Supersoaker"では純粋に浮遊感のあるメロディ、リヴァーヴ多めのとろけそうに耳に残るハーモニーやシンプルめなドラムの音も思いっきり反響して溶け込んでいる。単にそれだけだとちょっと物足りないかもしれないが、#4 "Prettiest Pills"あたりからはうねりのようなグルービィさがあったり、サイケポップな趣きが感じられるのも特徴。#8 "Paper Lungs"のちょっとしたユニークな展開のある曲も含んでいるのも良い。要するに非常にバンド寄りなサウンドなのでは。でもそれもそのはず。ライブでのメンバーは他に4人居て、いずれもアトランタのバンドから。このPRUGEのインタビューにもある通り、Will Fussell(Moodrings)、Stephen Luscre (Red Sea)、Woody Shortridge(元Balkans)、Cameron Gardner(Washed Outのドラマー)と言った感じに同じ地域ながら様々な所に広がっているのも閉鎖的にならずに程よく開放感のあるサウンドになるのかもしれない。
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Carpark Records : CD/LP/Digital[released] February 5,  2013

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#4 "Prettiest Pills"のミュージックビデオ。

2013-02-03

Homeshake / The Homeshake Tape

エドモントン生まれ、モントリオールで活動するPeter Sagarのバンド、Homeshake。現在彼はMac DeMarcoのライブでのギタリストとしても知られています。
「The Homeshake Tape」はモントリールのレーベルのFixture Recordsからデジタルと限定200本のカセットで1月末にリリースされたもの。 レーベルの紹介文なにもある通り、Peter Sagarによって録音されてMac DeMarco(ドラム担当)とSheer AgonyのJackson MacIntoshが参加しているそう。その繋がりもとっても興味深い所。
出だしが印象的な#1 "Haters"からギターの揺らぐ音色が耳に非常に心地よく、浮遊感があって軽やか。思い返してなるほどと思ったのは、Mac DeMarcoはもちろんこの辺りのバンドが共通して持っているのではとも思う、曲の雰囲気を作り出すたっぷりの残響感。どこか哀愁の漂う#3 "Northern Man"もメロディの歪みが美しい。(もちろん華美で無い方)アルバム全体でも至る所にこのわずかな差というかずれみたいな物がとにかく巧い。まどろむヴォーカルと肩の力をふっと抜いているようでもギターの一音一音に細やかな意識が行き渡っていて、だからこそ聴いていて豊かな気分になれるのかもしれない。
ちなみに途中サンプリングした声や音が入っていますが、この中にはドラゴンボールZ(海外放送版?)からもあるらしい。他にも何曲かに入っているサンプリングはスパイス的に使用されてていて曲の印象がぐっとユーモラスに。まろやかで味のある全9曲。
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Fixture Records : cassete/digital[released] January 29,  2013
bandcamp
 
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