2013-02-27

Elephant Stone / (self-titled)

ベース/シタール奏者Rishi Dhir率いるモントリオールのElephant Stone。セルフタイトルのデビューアルバムは今月、本国のHidden Pony RecordsアメリカはテキサスThe Reverberation Appreciation SocietyAustin Psych Festの運営元)からのリリース。さらにカセットはBurger Recordsから出ている。
ひとまずバンド名は置いといて先行で公開になっていた#2 "Heavy Moon"も反復するリズムと浮遊感があって良かったのですが自分達で形容している"Hindie-Rock/Psyche-Pop"というのがアルバム全体を聴くと改めてなるほどと納得。筋金入りのサイケテイストは思う存分発揮されているのにそれがぐっと現代的に上手くアレンジされている。サイケポップと言ってもストレンジ系ではなく、あくまで突き抜ける様な爽やさをキープしているメロディとヴォーカル、それに芯のあるバンドサウンドが力強さをプラスしている#4 "Hold Onto Yr Soul"に至っては完全にギターポップで別角度から見たバンドのもう面が分かるのでは。が、油断していると目が覚める様なサイケっぷりを見せつけられる。#5 "A Silent Moment"や特に#9 "The Sea Of Your Mind"はうねるギターと後半にシタールが入る部分の絡みが圧倒的でじわじわ迫る展開
The Black Angelsのライブや他のバンドのアルバムに参加しているだけあってRishi Dhir自らが弾いているのであろうシタールも躍動感があって曲の重要なアクセントになっている。こういう表現を常にバンド内で出来るのはある種とっても強みなのかもしれない。だからこそか本格派なのに泥臭さやアクが無いの(もしくはあえて前面に出してないのか)良い意味でさらっと馴染みやすい。どちらかというと、ポップな雰囲気が強く印象に残る。
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Hidden Pony Records : LP[released] February 5,  2013
The Reverberation Appreciation Society : LP/mp3/cassette
Burger Records : cassette 

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2013-02-24

Dog Bite / Velvet Changes

アトランタのDog BiteはWashed Outのキーボード奏者として知られるPhil Jonesのプロジェクト。「Velvet Changes」は今年2月にCarpark Recordsからリリースされたデビューアルバム。確かにそう言われて聴くと、全編を通して思わず納得してしまうようなドリームポップな雰囲気に溢れている。#1 "Forever, Until"や#2 "Supersoaker"では純粋に浮遊感のあるメロディ、リヴァーヴ多めのとろけそうに耳に残るハーモニーやシンプルめなドラムの音も思いっきり反響して溶け込んでいる。単にそれだけだとちょっと物足りないかもしれないが、#4 "Prettiest Pills"あたりからはうねりのようなグルービィさがあったり、サイケポップな趣きが感じられるのも特徴。#8 "Paper Lungs"のちょっとしたユニークな展開のある曲も含んでいるのも良い。要するに非常にバンド寄りなサウンドなのでは。でもそれもそのはず。ライブでのメンバーは他に4人居て、いずれもアトランタのバンドから。このPRUGEのインタビューにもある通り、Will Fussell(Moodrings)、Stephen Luscre (Red Sea)、Woody Shortridge(元Balkans)、Cameron Gardner(Washed Outのドラマー)と言った感じに同じ地域ながら様々な所に広がっているのも閉鎖的にならずに程よく開放感のあるサウンドになるのかもしれない。
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Carpark Records : CD/LP/Digital[released] February 5,  2013

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#4 "Prettiest Pills"のミュージックビデオ。

2013-02-03

Homeshake / The Homeshake Tape

エドモントン生まれ、モントリオールで活動するPeter Sagarのバンド、Homeshake。現在彼はMac DeMarcoのライブでのギタリストとしても知られています。
「The Homeshake Tape」はモントリールのレーベルのFixture Recordsからデジタルと限定200本のカセットで1月末にリリースされたもの。 レーベルの紹介文なにもある通り、Peter Sagarによって録音されてMac DeMarco(ドラム担当)とSheer AgonyのJackson MacIntoshが参加しているそう。その繋がりもとっても興味深い所。
出だしが印象的な#1 "Haters"からギターの揺らぐ音色が耳に非常に心地よく、浮遊感があって軽やか。思い返してなるほどと思ったのは、Mac DeMarcoはもちろんこの辺りのバンドが共通して持っているのではとも思う、曲の雰囲気を作り出すたっぷりの残響感。どこか哀愁の漂う#3 "Northern Man"もメロディの歪みが美しい。(もちろん華美で無い方)アルバム全体でも至る所にこのわずかな差というかずれみたいな物がとにかく巧い。まどろむヴォーカルと肩の力をふっと抜いているようでもギターの一音一音に細やかな意識が行き渡っていて、だからこそ聴いていて豊かな気分になれるのかもしれない。
ちなみに途中サンプリングした声や音が入っていますが、この中にはドラゴンボールZ(海外放送版?)からもあるらしい。他にも何曲かに入っているサンプリングはスパイス的に使用されてていて曲の印象がぐっとユーモラスに。まろやかで味のある全9曲。
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Fixture Records : cassete/digital[released] January 29,  2013
bandcamp
 
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