2013-10-06

Dr. Dog / B-Room

フィラデルフィアのバンドDr. Dogの8枚目(セルフリリース作も含む)のニューアルバム「B-Room」メンバーは昨年の「Be the Void」と同じで6人編成。前作との間にEP Wild Race」(デジタルのみ)もリリースしている。1999年から今までかなり長い間活動し続けていても基本的に中心メンバーは大きく変わらず。メインで歌い、アルバムでは交互にヴォーカルを取るScottとTobyコンビも健在だ。これがバンドとして良い作用になる場合とそうでない場合があると思うが、彼らは間違いなく前者だろうと感じた。
#1 "The Truth"を聴いた時はなんだか落ち着いてしまったと思ったがそうでは無さそうだ。ハーモニーの美しさを守りつつ、"ローファイ"の烙印を振り切る様にどんどん近代化していった空気感が今回は不思議とまた逆戻りしているのでは。もちろん今度はポップでパワフルな曲の構成や安定感を伴っての事。ピアノの音色がひと際クラシックな華やかさを出している#4 "Distant Light"、#7 "Long Way Down"の厚みのあるサウンドなのに対して#6 "Too Weak To Ramble"はアコースティック1本でひたすらシンプル。自信が伝わって来る。しかし幾つかの曲、特に#9 "Twilight"ではどこかつかみ所の無い、もやっとしたサイケデリックな雰囲気が初期を彷彿させる。この辺は好みは分かれるかもしれないが、彼らのユニークな魅力を再発見できた。始めはタイトルからしてベタな印象もした#11 "Love"もアルバムの良い位置に入っていてアルバムのキーポイントとなっている様に感じた。やや攻め気味の前作とはまた違ったおおらかさがある。
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ANTI- Records : LP/CD[released]October 1, 2013

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